2008年06月20日
宮城の羽衣伝説

宮城には羽衣伝説の言い伝えが残る御宿井(うすくがー)とよばれる井戸があります。
ある日、農民が井戸に行くと、美しい天女が沐浴をしていました。天女の衣を隠し、衣を無くした天女は天に昇ることができず、この地で農民と夫婦となり暮らしたそうです。そして一男一女が生まれ、のちにその男子は地頭になり、女子はノロとなったそうです。
(南風原町宮城公園にある説明碑文より)

※以下、文献を参考にした説明と私個人の推測です。
農民の名は大国子という。近くに住んでいて、ときどき夜にこの井戸から光が射すのを不思議に思い、ある夜のぞきに行った。そこには、1人の美女が彩色豊かな衣を脱いで枝にかけ、水を浴びていた。
容姿はひときわ美しく、この世の者とも思えぬ神々しさ(この辺は決まり文句)で、月の国の姫か大和の貴婦人であろうかと、しのび寄って衣を盗み持ち帰って隠した。
天女は衣を無くした天に昇るこができず、この農夫と夫婦になった。おそらく天女ということにしておいたほうがのちの暮らしでは安全だったのだろう。ヤマト武家の女だと噂されようものなら対外的に危険だったのかったのかもしれないと勝手に推測する。
のちに1男1女をもうけ、成人して男子は宮城の地頭職になり、女子はノロ職(神女)を授かった。
天女が亡くなったとき、久場塘御嶽にある一ツ瀬という岩に葬り、村じゅうが崇敬した。子孫は中(仲)里門中といわれる。この岩は今次大戦の爆撃で消滅し、跡地にセメント造りの祠が設けられた。
伝説なのに子孫も門中も実在することから普通の人間だったと思われる。島流しにあった平家の女であろうか。謎は謎のままがいい。西洋人のように白黒はっきりさせたがるのは「日琉的もののあはれ(情趣)」とは趣を異にする。
私の職場の道路向かいには浦島太郎の話とほぼ同じ龍宮伝説、裏手の丘には羽衣伝説がある。直線でわずか数百メートルしか離れていない地域に日本昔ばなしを代表する二つの伝説があるということ。以前は首里南後方の静かな場所だと思っていた南風原の与那覇と宮城。同じ地名は沖縄の他所にもいくつか見られるのだが。最近、この地域が気高いものに思えてきた。
この記事へのトラックバックURL
http://suna0007.ti-da.net/t2175526



日本の地域ブログ大集合!津々浦々の美味い・楽しいがここに!
