「心の三毒」補足

砂川よしひろ

2008年06月14日 00:10


知念久原公民館 後ろは海



6月の2日に「心の三毒」という言葉について書きました。

1)貪(むさぼ)る 
2)怒(いか)る 
3)愚痴(ぐち)る

この三つの心は、誰の心にも忍び込み悪縁があるごとに表面化してきます。それぞれの心に囚われている間は、偏見や苦しみが続き、不安と動揺にさいなまれつつ人生を送ることになります。などと書いて「心の三毒」を頭ごなしに否定しました。反省しています。
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結論としては大きな間違いはありません。しかし稲盛和夫さんの本を読むと書き出しがちがうのですね。さすがに美しい利他の心をもった「経営者の神様」のようなお方です。

以下引用
「貪欲、怒り、愚痴の三つは、実は自然が我々に与えてくれたものなのです。肉体はこの三つを要求するわけです。これらがなければ人間は生きていけないのです」

といったん肯定します。さらに…
【欲がなければ物を食べることはできません。敵に向かって戦うという闘争心も、煩悩がなければありません。生きるために必要なものとして、自然が我々に与えてくれたものなのです】

中略して続けます。
【本能、煩悩がなければ人間は生きられません。しかし、それが強くなりすぎてしまうと利己になってしまいます。自分だけよければいいという利己になる。つまり悪しき思いになってしまう。 「そうガツガツするなよ。自分だけよければいいというのはおかしいではないか。もっと世間を見てみろ。商売相手もあれば従業員や仲間もある。いろんな人たち、そのみんなが幸せになっていくように考えたらどうだ」ということを我々の知性で、本能を抑えて(自分自身に何度も)教えなければなりません】

まとめとして…
【本能の中にある煩悩を抑えつけ、あまり出ないようにしたうえで、感謝の心が大事だ、思いやりがいるのだ、慈しみの心がいるのだということを日常茶飯、自分に言い聞かせていく。これを知性で教えていく以外はありません。ほうっておくと、本能の中の煩悩のままに生きてしまいます。つまり、利己心を抑えて、利他の心がつねに出るように(自分自身に)教えていく。そういう努力をしていくことが必要です】

〜『経営にもとめられる力』稲盛和夫〜講話CDブックより

補足として
すぐに怒る人は理想が高いうえに反射神経が鋭いのですね。失礼ながら、理想などなくて反射神経の鈍い人はそう怒りは出てこないかもしれません。

どちらがいいのか?

私はいま思ったのですが、すぐ怒ろうとする人が、まだ少しはいいのでは思います。故・栽弘義監督じゃありませんが、なんとしてでもまず勝たねばならぬ、目標を達成するんだという強い意思に、大胆細心さを身につければ世の中をよき方向に導くリーダーになるかもしれないからです。
ただし、ある年齢をいけば怒りや愚痴、不平不満がつい口から出ようとするのだけれど、深呼吸のあと状況を見てグッと抑えて表に出ないようにする。そして知性と理性でもってにこやかに謙虚に立ち振る舞える、それがいつしか習慣になり寛大な人といわれる。そういう人になりたいと思う。たとえば野球の日本代表監督・星野仙一さんのように機をみて激しく強く怒り出す情熱家はよきリーダーになりうる。 

私自身が数年前まで(いや基本的には今もそうかもしれない)、ひどく怒り性で不平不満の達人のような人間でした。とりまくいろいろな方のおかげで、少しは人並み近く抑えられるようになりました。いやまだまだかもしれません。あと50年かかるやもしれません。日々精進するだけです。



佐敷と知念の間くらいの海岸

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