やんばるの歌碑20)
二見情話の碑

1
(男)
二見女童や だんじゅ胆清らさ
海山ぬ眺み 余所に勝さてぃよ
(二見の娘は本当に心が美しい
二見の海山の眺めもすばらしい)
2
(女)
二見村嫁や ないぶしゃやあしが
辺野古崎坂ぬ 上り下りよー
(二見村の嫁には なりたいけれど
辺野古崎の坂の 上り下りの辛さよ)
3
(男)
行逢たしや 久志小
(女)
語たしや 辺野古
(男)
思てぃ通ゆたしや 花ぬ二見よ
(逢ったのは 久志 語りあったのは 辺野古
思いつめて通ったのが 花の二見
4
(男)
待ちかにてぃ居たる 首里上いやしが
(女)
出ぢ立ちゅる際や別りぐりしゃよ
(待ちかねていた 首里上りだけど
旅立つ際の 別れの辛さよ)
5
(男)
行かい
(女)
行ぢ来よと 交わす云言葉や
(男)
ぬがし胆内に 思い残ちよ
(「行ってくるよ」「行ってらっしゃい」と交わす
言葉はなぜか心の中に 想いが残るよ。)
6
(男女)
戦場(いくさば)ぬ哀り 何時が忘りゆら
忘れりがたなさや 花ぬ二見よ
(戦場の悲しさは いつかは忘れられるが
忘れがたい 花の二見よ)
やってきました宜野座の先、名護東海岸・花の二見。辺野古のアップダウンは昔の村嫁を苦しめたきつい坂だったんだね。
二見情話は戦後できた島唄の中でも男女掛け合いで歌うデュエット曲の代表格。やや本土の民謡の旋律も感じられれ、やんばるの歌の中でも多くの人に歌われ親しまれている。
二見は、普天間基地の「移設候補」の隣・歌に出てくる男女が語り合った辺野古と隣接する静かな村。ジュゴンが海草を食べに来る大浦湾の目の前。戦場(いくさば)の哀れはけっして忘れてはならない。繰り返してならない。子々孫々に語り継がれていくもの。ただしいやさしいであれ。悲しみはいらない。

二見公民館前の石に刻まれた歌詞
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